【AWS Innovate】「ヘルスケア・ライフサイエンス業界におけるAWSサービスの活用」を視聴してみた
AWS Loft好きなKyoです。
AWS DevDay 盛りあがりましたね。 DevDayも面白かったのですが、10/1〜11/5までオンラインで開催されているAWS Innovateも非常に興味深いです。 今回はInnovateでヘルスケア・ライフサイエンス特集を視聴したのでレポート致します。
タイトルと講師
タイトル
- ヘルスケア・ライフサイエンス業界におけるAWSサービスの活用
講師
- アマゾン ウェブ サービス ジャパン
- 技術統括本部 エンタープライズ本部 ソリューションアーキテクト
- 小泉 秀徳 様
AWSが定義するヘルスケア・ライフサイエンス領域
- 医療機関(ヘルスケア)
- 保険者(ヘルスケア)
- ベンダー(ライフサイエンス・ヘルスケア)
- 政府(ヘルスケア・ライフサイエンス)
ヘルスケア領域での活用事例
ヘルスケア領域に置ける課題
- 医療データの分析
- 画像や医療データなど大量の医療データを分析し、そこから洞察を得る
- 医療情報の連携
- 組織内、医療提供者、保険者でのデータの連携
- 患者とのエンゲージメント
- Webやモバイルで患者と繋がり、価値ある情報を提供
Deep Learningでパーソナライズされた心臓3Dモデルの作成
課題
- 冠動脈疾患の範囲と血流への影響を洞察することが難しい
- 検査は高額&危険性を伴うが、半数以上の患者には優位な結果が得られない
AWSの導入効果
- DLとスケーラビリティで大量の計算を迅速に計算、洞察を得ることができた
- 患者ごとに個別の治療計画を立てることができ、不要な検査を減らすことができた
- HIPPA準拠のサービスで病院のセキュリティレベルの承認までの時間も短縮
GE Health Cloudで医療データ共有によるコラボレーション
課題
- データ不足により患者の症例の最大35%が誤診される
- 医療従事者が必要な時に必要な情報にアクセスできる環境が必要
AWSの導入効果
- システム間の相互運用とヘルスケアエコシステムの確率
- 医療画像データの共有とコラボレーションが可能に(S3, Cognito etc)
- AI/MLの活用により医療診断・治療の改善
ヘルスケアプラットフォーム「HealtheIntent」に AWSを採用
課題
- 電子カルテを中心に10PBのデータを1日に11万回処理
- データ分析で新たな洞察を得るために半年が必要
- 外部パートナーとオープンに協業したい
AWSの導入効果
- AI/MLの利用で期間は4週間以内に、コストも80% OFF
- データの匿名化で外部のデータサイエンティストも活用可能に
深層学習を利用したドクターマッチング
課題
- アメリカの保険は複雑で、自分に適したドクターを探すのが難しい(予約まで平均24日)
AWSの導入効果
- DLで患者とドクターのマッチングにより24時間以内に予約可能になった
- 保険範囲をリアルタイムで確認、自己負担金を予測可能になった
ライフサイエンス領域での活用事例
ライフサイエンスのワークロード
- 創薬・基礎研究
- 臨床試験
- 製造
- マーケ・調査
すべてのプロセスでAWSは活用されている
(創薬・基礎研究)CRISPR gRNA検索高速化とスケール化
課題
- 毎月数百万件の検索に対してスケールしたい
- 検索時間の向上
- サーバメンテの削減
AWSの導入効果
- Lambdaで検索時間を90% OFF。コストそのものも削減
- サーバレスなので、サーバ管理不要
(臨床試験)臨床データの品質向上と医学的洞察の提供
課題
- NHS情報ガバナンス、HIPPAへの準拠
- 患者が簡単にモバイルデバイスにデータ登録できる
- スケーラビリティ
AWSの導入効果
- AWSサービスによりセキュリティ要件の担保(VPC, IAM etc.)
- 患者とのコミュニケーションにはSNS, SESを利用
- GPS情報を使った新たな洞察を得た
(製造)Merck Management Cloud (MMC) on AWS
AWSの導入効果
- GxP要件のCSV対応をAWS環境で実施
- 物理DCへの監査の代わりにAWSが提出するコンプライアンス、セキュリティレポートを活用
(マーケ)デジタルヘルスにより新技術・製品の価値を判断
課題
- どの技術や製品が実際に価値を提供しているかがわからない
AWSの導入効果
- モバイルアプリを利用して使用状況と予測データを提供
- バックエンドとしてLambda + API Gatewayによるマイクロサービス
ヘルスケア・ライフサイエンス領域で有用なAWSサービス
- データレイク
- ゲノミクス
- 医療情報の自然言語処理
データレイク
- データを構造化、非構造化問わずS3に入れておく
- 通常、データレイク作るの数ヶ月必要。Lake Formationなら素早く構築!
- Glue, S3, IAM
- Blueprints
- Grant/Revokeによりデータアクセス制御
- データカタログ探知でアクセス制御できる
ゲノミクス
- 2017年ごろまではちょっと複雑なアーキが必要だった(SWF, Dyanamo, SQS, ECS etc.)。
- 2019からはStep FunctionsとAWS batchで楽々。
AWS Batch
- コンテナを利用したフルマネージドなバッチ実行
- スポットインスタンスも使える
Step Functions
- ワークフロー、分散アプリ、マイクロサービスの管理
- AWS Batchとの統合
- コードの削減
- 履歴も残る
ParallelCluster
- HPC cluterのデプロイと管理、オープンソースのツール
- スケジューラor計算クラスタとして AWS Batchもサポート
自然言語処理
- 臨床情報とは、巨大な非構造化ドキュメント
- たとえばレントゲン画像は貴重な資料だが、個人情報が入っていると研究用に使いづらい
- SageMaker, Rekognition, Comprehendを使ってレントゲン画像から個人情報を抜き出し、その部分のみマスクする、というプロセスが自動化できる
(DEMO) SNSにある副作用情報を分析し洞察をえる
- ツイッターの情報をLambdaでクローリング
- Lambdaが情報をTranslateに渡し、Comprehend Medicalで情報を抽出
- これらをKinesis FirehoseでS3へ
- AthenaとGlueでデータカタログ化
- ユーザはQuickSightで可視化
所感
思った以上に多くのヘルスケア・ライフサイエンスの事例がありました。ライフサイエンス分野の出身者(ウェットの方ですが。)としては嬉しい限りです。また、個人的に気になったキーワードは、以下あたりでしょうか。
- サーバレス
- AWS Batch
- Step Functions
- Comprehend Medical
サーバレスやコンテナが使われているのはちょっと意外でした。これらについてまた深堀りできればと思っています。なお、視聴は11/5まで可能ですので、興味を持たれた方は是非ご覧いただければと思います。
以上、何かの参考になれば幸いです。